28/11/2018

【2018 XP-Pen液タブ Artist 16 Proおすすめ の評価まとめ】ワコムCintiqと比べてどっちが買いか検証

ペンタブレットはパソコンで絵を描く人にとって紙とペンのようなもの。ペンタブレットには2種類あって、これから絵を描き始める人、ステップアップをしたい人はどちらを選ぶか迷うかもしれません。

液晶タブレット、略して液タブは画面に直接ペンで描くことができるデバイスです。値段が高いのでプロの絵描きさんや長年絵を描いている人が使うことが多いです。

絵を描いてる感じがする

液タブは画面に直接ペンで描くので、絵を描いてるという感じが強く、集中しやすいです。時間を忘れて絵に取り組むことができます。感覚的な話になりますがモチベーションの維持にはこういうところが大切ですね。

綺麗な線が描きやすい
画面に直接描くので、ペン先を見ながら線を引くことができます。そのため、下書きに沿った綺麗な線が描きやすいです。リドゥ(一つ戻る)の回数も減るので効率が良いです。

慣れやすい

液タブ は紙に絵を描いている感覚に近いので、鉛筆などアナログで絵を描いてきた人にとっては液タブの方が慣れやすいです。

液タブをオススメする人
キャラクター系のイラストレーター
キャラクターデザイナー
漫画家
アニメーター
いままでアナログでイラストを描いていた人
液タブは綺麗な線を描くことに向いたデバイスですので、キャラクターなどで線画をよく描く人が向いています。特に漫画家やアニメーターなど大量の線を描くタイプの絵描きは液タブが必須と言ってもよいでしょう。また、絵の具、コピック、Gペン、鉛筆などアナログ画材を使って絵を描いてきた人は液タブを買ったほうがストレスが少ないです。

液晶ペンタブレットXP-Pen|注目の中華タブレットメーカー

XP-Penは中国深センに本社を置く会社で2005年からペンタブレット業界に参入。製品はアジア、ヨーロッパ、アメリカなど50を超える国で販売中。ワコム以外で液タブを買おうと思うとまず上がってくる候補がこちらの会社のもの。

他の中華タブレットと比較すると日本に代理店があり保証が受けられること、日本語のサポートがあることなど一歩抜きんでている印象だ。

今までcintiq13HDを使っていましたが流石に画面が小さいと感じていたため購入。
購入してからのファーストインプレッションは値段の割にかなり発色が良いこととそこそこ視差があることでした。
発色については色域92%あることもありcintiqよりも鮮やかに表示できていることがひと目で分かるほどです。

16インチともなると梱包箱も迫力のあるサイズだ。梱包サイズは55 x 32.2 x 13 cm、重量4.6kg。海外発送かと思われるが梱包はしっかりとしており、この化粧箱を更に他の段ボールで梱包している。そして箱の間に約3mmの板が挟まれているので箱の橋が折れたりすることもない。

XP-PEN Aritst16 Pro付属品

付属品の一覧がこちらだ。梱包箱上部の段ボールにこれらが詰まっている。

スタイラスペン2本
ペンスタンド(芯抜き、替え芯8本内蔵)
液晶保護シート
2本指グローブ
クリーニングクロス
クイックスタートガイド
ペン充電USBケーブル2本
電源アダプター
電源ケーブル
HDMIケーブル
VGAケーブル
mini Display – HDMI 変換ケーブル
対応している映像ケーブルは、HDMI,VGA,MiniDisplayPort。その他は変換ケーブルが別途必要となる。注意が必要なのがこちら。

日本語のスタートアップガイドも入っている。中国製の液タブで日本語のマニュアルが入っているメーカーは意外に少ないのでありがたい。ドライバのインストール方法、セットアップ、設定方法と一通りの手順はこちらのガイドですべて確認できる。

XP-Penの特徴は何といってもコスパの良さ。安い!

見て思うのは、やっぱり安い!XP-Penの最大の特徴だ。正直ワコムの半額以下で同じサイズの液タブを買えるのはすごいとしか言いようがない。

ただ安くても性能が低ければ当然ダメ。製品の特長がこちら。

筆圧8192レベル
液晶16インチフルHD
Adobe色域92%カバー
解像度:5080 LPI
レポートレート:266 RPS

したArtist15.6との違いは液晶ディスプレイ。AdobeRGBカバー率92%の色精度を実現している。そしてペンは同じ筆圧8192レベルだが充電式だ。価格が5万円ほど高いがディスプレイにこだわって選びたい方におすすめしたい。

XP-Pen 液タブ Artist 16 Pro公式店 : https://www.storexppen.com/buy/artist-series-display16pro...

液タブ本体の詳細スペック・デザイン

本体外形サイズは405×255×30㎜。重量2.8kg。持ってみると結構な重さだ。15.6インチということで持ち運べるサイズだが、重量を考えると頻繁に持ち運んで使用するのは厳しそうだ。

本体インターフェース : 本体裏側の右側に垂直にポート差し込み口が並んでいる。左からパソコンUSBポートへのケーブル、電源ケーブル、HDMI映像ケーブル、DVI映像ケーブル、VGA映像ケーブルだ。

付属のものはUSB、HDMI共に1.5m。
USBケーブルは何故か2本あるがどちらもオス-オスなので延長は不可。
部屋のレイアウトと相談して長さが足りなければ延長ケーブルを一緒に買いましょう。

液タブ使用にあたってショートカットキーは必須だ。右手でペン、左手で割り当てたショートカットキーで拡大縮小、ペンブラシの変更などをワンタッチでできれば作業効率が飛躍的にアップする。

液タブ本体の左側にファンクションキーが配されている,。それぞれにキーボードショートカットキーなどが設定できる。残念ながら指を滑らせて調整するタッチホイールはない。

描画ソフトのショートカットと液タブの8個のボタン設定をうまく組み合わせれば、タッチ機能がなくてもすぐ慣れます。そこは設定をこだわったらいいかと。色調整もしやすく、かなり画面に近いところまで寄せられます。キャリブレーションで自分が描く角度に合わせてペン先とポインター位置も調整できます。
手袋は付属でついてました。ペンは二つ。

画面右下に液晶設定操作ボタン : ここで液晶のブライトネス、コントラスト、ガンマON,OFF、カラー設定の変更が可能。

デザイン性 : 正直なところデザイン性は求めない方が良い。ボタンやベゼル部分などかなりシンプルで無駄のないデザインだがとりわけ美しいというわけではない。あくまで液晶、Apple製品のような精錬されたデザインではない。

解像度:フルHD|視野角:178度・IPS液晶

液晶はIPS形式。IPSとは現時点でモニターの中でもっともデジタルペイントに適している形式だ。視野角の広さと、長時間使用しても疲れにくいという特徴がある。他形式と比べると価格が高くなるが、長く使用する液タブの場合IPS形式が必須だ。

解像度はフルHD1920×1080のワイドモニター。現在最もスタンダードな解像度だ。最大表示色 1670万色。

15.6インチサイズなので実際に見ると非常に美しい。液晶方式はIPSで角度による見え方の変化はない。ほぼ真横から見ても色が変わることはない。

さらに液タブで重要なのは視野角だ。視線の角度で色が変わるのはデジタルペイントにとって致命傷。この点Artist 16 ProはIPS液晶なので安心だ。視野角は178度と現時点販売されているディスプレイの最高スペックといってよい数値だ。

横に置いて縦幅で1cmほどはみ出すがほぼ等倍で表示できるサイズだ。手首で描くスタイルの方であれば十分なサイズ感。

ディスプレイの表示はフルHD解像度、非常に美しい。本体側で色合いを設定できるOSDメニューもあるのである程度の調整ができるのもポイントだ。

Artist16 Proは液晶の色温度や、カラー設定、画面明るさ等が液晶側で調整可能。ある程度の色味の違いであれば自分の好みで調整できるのも強みだ。

Adobe RGBカバー率は90%以上を目安に

Adobe RGBカバー率は、液晶に正確な色がどれほど描写できるかを示す値。カバー率が高いと、細かな色の違いをしっかりと判断できるようになり、イラストのクオリティが向上します。

特に、ポスター・同人誌等、印刷する場合は特に重視すべきポイント。印刷してから色味が違ったなんてことがあると、取り返しがつかないことになりかねません。少なくとも75%、印刷するのであれば90%程度あると快適です。

AdobeRGBカバー率と筆圧レベルが全く違うのでArtist16Proが届いてとても安心しましたが、Artist16Pro自体は良い製品です。

以前使用していたCintiq13HDはAdobeRGBカバー率75%でしたが、Artist16Proは92%なので実際に見比べても発色は良いです。

ペン:筆圧8192レベル・充電式

付属のペンは筆圧8192レベル。現時点での最高スペックの筆圧レベルを実現している。より自然な書き味を実現しており仕様数値だけを見るとプロも十分使用できるレベルだ。

ペンは充電式。ペンテール部分にケーブルを接続して充電するタイプだ。公式ページによると1回充電で60日間使用できる。さらに2本のペンが付属されるので充電を待つために作業がストップ、ということはなさそうだ。

筆圧レベル8192、読取精度0.25mmとワコムCintiq22HDと比較しても優秀な数値だ。ペン重量を計測すると17gと非常に軽い。充電式だが重さは全く感じないレベルだ。

ペンは充電式だが2本付属されているので充電待ちで作業ができないということはない。充電用ケーブルも丁寧に2本入っている。充電はペンのテール部分からUSBを通してだ。

付属のペン立ての中にペン替え芯が8本と芯抜きが入っている。

実際に持ってみてのサイズ感がこちら。手に触れるグリップ部分がゴム素材となっており滑りにくい仕様。重さは全く感じない。太さは普通のボールペンよりも若干太め。ワコムのプロペンよりも一回り細い。

ペン先径は約1mmだ。サイドスイッチは2か所。押すとカチカチと感触があるが少し取り付けが緩く感じた。

スタンド:角度可変スタンドが付属

スタンドは発送された時点ですでに装着されている。公式ページには15°~85°とあるが11°程度~95°辺りまで広げられます。 鉄素材で描画している手に多少力が加わってもぐらつくことのないしっかりとしたつくりだ。

任意の角度でストッパーを下ろして止められるので自分好みの調整がしやすいです。
0°には出来ません。
直角には立てられますが、ペンタブとして使わない時にサブモニターにするには少し小さいサイズかも

さらに作業時間が長くなると角度が非常に重要なので可変のスタンドが付属しているのはうれしいポイントだ。ワンタッチで角度が変えられるので快適な作業空間を実現してくれる。

XP-PENドライバダウンロード

液タブもペンタブもパソコンで使うためには必ずパソコンへドライバーのインストールが必要だ。ドライバーはペンタブレットの脳みそのようなもの。これを通してペンの動作がパソコンへ伝えられる。

XP-Penのドライバとワコムのドライバは共存できない。ワコムのドライバが入っている場合はそちらのアンインストールが必須だ。ペンタブのドライバは他のドライバとの干渉が起きやすい。もしマウスやキーボードなど入力装置のドライバをインストールしている場合は注意が必要。もしXP-Penのドライバをインストールしてうまくいかなかった場合は、ワコムのドライバだけではなく他の入力デバイスのドライバを疑ってみるといいだろう。

ドライバは公式サイトからダウンロードしました。以前は英語、中国語のみだったが現在はめでたく日本語のHPも完成している。ドライバダウンロードページも日本語になっている。

XP-Penサイトの製品説明ページより : https://www.xp-pen.jp/goods/show/id/255.html

ドライバはHPにある最新のもの。他のタブレットドライバと共存できないので、他のがあったらアンインストール後、インストール。
ドライバ入れると設定画面が使えるようになるので、そこでキャリブレーションやらエクスプレスキーやら好みで。
筆圧はここでいじるより、アプリの方でいじったほうが良さげです。

コミスタ、クリスタはキャリブレーションしてもペンの位置がずれるのですが、これはWindowsのディスプレイ設定で液タブのサイズが150%になっているため。これを100%にしてあげればペンのズレはなくなります。

デジタルメディアのメリットを活かして自然に作業できます。Photoshop, Corel Painter, Clip Studio, SAI, Zbrush, Medibang, openCanvas,Toonboom Harmony等のソフトウェアに対応します。またWindows10/8/7、Mac OS 10.10以降主要なOSに対応しています。

XP-PEN液タブをワコムと&Artist 15.6比較

もし予算に余裕があってプロ向けの製品をこだわって選びたい!という方にはワコムの液タブが選択肢にまず上がってくるのは事実。ただ価格が。。。

・本体厚み、ケーブル

artist15.6の方は厚み11mmと激薄に対して本製品は厚め。

個人的には液タブを「つまむ」より「掴む」感覚のほうが好みのためこれくらいの厚みがあったほうが良いかも

本品は厚みの分ケーブル差込口が内部にあり、他の物との衝突による接触不良を防げます。

真横(物理キー側)から出てくるためマウスやキーボードの邪魔をしづらい配置で嬉しいです。

ケーブルはHDMIケーブル、USBケーブル、電源ケーブルの3本が液タブから出る形状。

artist15.6はUSB-Cが1本だけに対してこちらは煩雑になりがち。

しかし3本ともすべて市販の汎用ケーブルで代用できるため,どれかが駄目になっても換えが効きやすい

(artist15.6の専用3in1ケーブルは断線等で潰れた場合それごと買い直しが必要。

将来生産終了した場合は本体が生きていてももう使用出来なくなります)

Artist 16 Pro実際使ってみての評価

最初からアンチグレアフィルムが貼られております。

顔映り込み防止のフィルムなので乱反射しているため画質や色合いが今ひとつに感じます。

せっかくのディスプレイを台無し・・・とまでは行かないもののマイナスにしているような...

設定も説明書の通りに進めれば問題なく完了します。

電源プラグが3ピン用コンセントのやつなので、コンセントが対応してなければ、3→2ピン変換プラグを購入したほうがよいです。

色がすごく綺麗です、急な角度から見ても綺麗に見えます。

一番心配していた、描画の遅延も感じません。すばやくペンを動かしても問題なしです。

長時間使っていると少し熱を持ちます。作業に影響が出るほどの熱ではありません。(明るさなどは初期のままです)

ペンの先が引っ込むのは自分には違和感がありませんでした。

色も綺麗で描画もしっかりでき、満足してます。変換ピンを買っても5万に届かないところも素晴らしいです。

・視差

視差とは、液晶にペンを触れた際のペンと実際に描画される線のズレのこと。これが大きいと、イラストのクオリティが一気に下がってしまいます。

紙に描く時と全く同じように描ける・・・とまでは言いすぎですが

特に違和感無く描けます。

しかし画面端に行くに従いカーソルズレが少し発生します。

2~3mm距離を感じます。

中央だとカーソル意識せずペン先を見て描けるのに対して
端付近だと思った場所に線が引けておらずカーソルを見ながら描かないといけないという状態です。
拡大縮小手のひらツールを使って中央に持ってくれば問題は解消されますが...

・ペン追従

同様に遅延もしっかりと確認しましょう。線が遅れて描画されるとスラスラ描けず、非常にストレスになります。

手ぶれ補正0で自分の手首の筋肉の許す限り素早くジグザグに描きましたが

描画が遅れるといったことは感じられませんでした。

手ぶれ補正6程度まで上げると少し描画の遅れが見られました。

実際にPhotoshop、Win10で使ってみてのペン描画能力を検証してみる。ペンの遅れなどは気にならない。ただゆっくりと斜めに線を引くと線に若干の揺れが生じることもあるが、描画はおおむね良好だ。

書き心地はかなり良いです。硬い板のモニターをコツコツと叩くような感触かと思ってましたが

適度な抵抗がありペン先が極端に滑ることもなく書きやすいです。

良かった点

・コストが安い-この値段で、このサイズの液タブのパフォーマンスは良いです

・画面が大きい-13.3よりも大きいので広くスペースが取れます。

・ペンのスペアがある-付属の充電ケーブルやUSBケーブルのスペアもありました。

・本体が軽い-厚くてゴツいかなと思いましたが、結構薄くできていました。調整スタンドもよく出来ています。

・画面がきれいです。液タブとしてだけでなくサブディスプレイとして使うのもよいと思います。

・液晶自体もかなり発色良く、細部までくっきりと表示してくれます。IPSなので角度をつけても色の変化がなく、絵を描くという用途において必要な性能は全て押さえている印象です。

・かなり軽めの筆圧で撫でるように使ってもしっかりと反応してくれます。

悪かった点

・傾き検知機能なし

・色味が少し違う-右側のボタンで色味が変更できますが、若干色味が違って見えました。

・ペンに充電が必要-頻繁に充電するわけではないので、そこまで問題ではありません。

・画面がにじんでいるような気がする-目が疲れるような気がします。バックライトの明るさを落として改善。

・微妙にペン先と実際に描かれる位置が違うので、線と線をつないだりするのが難しいです。

・点を打って、それを大きくするためにその点から小さく円を描くようにしても、最初の点の位置からカーソルが動きません。細かい動きは苦手のようです。

気になるところはありましたが、総合的なコストパフォーマンスは高いと思います。

XP-Pen 液晶ペンタブレット Artist16 Pro は買いか|まとめ

評価できる点としては、まずは価格の安さだろう。15.6インチの液タブとして破格の値段だ。ワコムのCintiq13HDと比較すると半額以下の価格だ。もう一つは液晶の美しさ。IPS液晶、フルHDの美しさは確かなものがある。角度による色の変化などは皆無。十分デジタルイラストで使用できるレベルだ。

ペン描画能力はをワコム製品と比較するともちろん仕様数値だけでは表せない差があるのは確かだ。もしこれまでずっとワコムの液タブを使用しているなら使い始めは少し違和感を感じるだろう。ただ初めて液タブを使用する方であれば全く問題を感じないはずだ。ペンの反応速度や筆圧感知などストレスを感じることなく使用できる。

プロのイラストレーター・漫画家になりたいなら、買って損はないプロレベルの液タブです。

11:35 Publié dans Cinéma | Lien permanent | Commentaires (0)

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